OTノート

【介護支援専門員】再研修参加中!ケアマネの仕事について考えたこと

ただいま、介護支援専門員資格「再研修」に参加中です!

介護保険制度の要である介護支援専門員は5年更新が義務付けられています。

【介護支援専門員・再研修とは…】

更新期限を超過した実務未経験・資格保有者を対象とした、登録都道府県により開催されている「54時間」の研修です。

2020年はコロナ禍ということがあり開催中止が心配されましたが、本来の予定から2か月遅れで8月に無事スタート。ただいま、10日間研修の2日目を終えたところです

本記事では、元職勤務中に研修時間を確保できず、資格取得後一度も実務についていない介護支援専門員の再研修と、ケアマネという仕事について、あらためて考えたことをつづります。

また、「コロナ禍」のために、従来の研修内容から変更されている点についても記録しておきたいと思います。

都道府県により異なる点があると思いますが、ケアマネ資格に興味のある方、再研修について気になっておられる方の参考にしていただけるとうれしいです。

<こんな方におすすめの記事です>

●2020年コロナ禍の介護支援専門員・再研修について知りたい方

●資格取得後10年以上実務未経験で「ケアマネ」転職について悩んでいる方

【介護支援専門員】再研修「コロナ禍」における変更点

研修会場の感染症拡大防止策の徹底

✔入口と出口を分ける

✔自動検温・マスク着用チェック・足踏み式手指消毒

✔長机に一人の座席間隔(ソーシャルディスタンス対策)

以上の上で、本来ならば頻繁に行われる、臨席の方とのディスカッションは感想文を見せ合う「筆談」形式など、感染拡大防止策が徹底されていました。

介護保険法令の確認は自治体職員から、地域包括ケアにおける多職種連携、特に医療との連携として、医師会、歯科医師会、薬剤師会より講師がそれぞれ登壇されましたが、座学中心の講義であり、2日目は研修中一言も言葉を発することなく終えました。

最大の変更点:実在事例の選定を行わない点

再研修最大の目的は、ケアマネジャー業務の一連の流れを踏まえて「ケアプラン作成」ができるようになることです。

各自、一事例のケアプランと各自の居住する(働く)地域の社会資源調査票の提出が義務付けられています。

ただし、今年度に限っては「コロナ禍」であることを鑑みて、実在事例の選定、施設、ご本人様の同意を得るということを行わないことになりました

教科書の共通事例を元に、各自の行った社会資源調査に基づいてケアプランを作成するということになります。

また、認知症や脳血管疾患等の背景疾患等を踏まえた事例研修は、次回以降、研修生を2グループに分けて、より少人数で行われる予定です。

なんちき
なんちき
現在、事業所に所属していない筆者としては、事例の選定に悩むところでしたが、やむを得ない事情ながら、架空事例での研修となり少しほっとしたのでした。

【介護支援専門員】という仕事について考える

介護保険制度と同時に誕生した「元職」ベースの資格

2000年介護保険スタート

介護支援専門員=ケアマネジャーは、2000年4月1日に介護保険制度開始と同時に誕生した、制度の要となる重要な職種です。

措置から契約へ

「介護の社会化」をスローガンに、介護認定に応じて個々に合わせた介護サービスを契約に基づいて実施。

家族介護前提の公的福祉として行われてきた介護の世界に市場原理が導入されるという大転換です。

介護度という数字を出し、機械により判定されるシステムなどへの抵抗感が当時の職場にはうずまいていましたが、「経験年数5年以上はとりあえずケアマネ資格取るべし」という空気の中で、2000年を迎えました。

当時、事業所運営継続のために師長さんから主任さんまで経験5年以上のベテラン看護師さん中心に第1回のケアマネ試験を受験されていたことを思い出します。

もちろん筆者も当然のように、臨床経験5年を経過した翌年に受験、無事合格し都道府県登録後、実務未経験のまま現在に至っています。

保持資格がない場合でも10年以上の介護現場経験があればケアマネ受験は可能です。

ケアマネには全員「元職」がある

これが、他資格と違う大きな特徴です。そして20目を迎える介護保険業界では、体力仕事の現場からのステップアップとしてケアマネを取得された、元職・介護職(介護福祉士)の方が最も多く活躍されています。

一方で医療職は、元職で勤務していた方が給与水準が高いことを大きな理由の一つとして、ケアマネを選択しないという実情があるように思います。

また、ケアマネという仕事にあるマイナスイメージとしては…

✔制度改定の度に膨大な書類業務に追われる点

✔サービス負担額の計算=お金の計算をする仕事である点

✔独居・社会的困難事例のキーパンソン化してしまう点

…等々あり、利用者・家族、他職種の信頼が厚いケアマネさんほど、公私を問わず抱え込むことになりかねず、「大変すぎる」という印象でした。

リハ職(特にOT)の思考はケアマネとの親和性が高い

主に高齢期を対象とした職場で勤め、キャリアの半分以上を「介護保険制度」下で過ごしてきました。

介護度の認定から、その方の疾患背景、生活全般を見渡し、日常生活動作ができるかできないか、認知機能はどうか、住環境はどうかというアセスメントを行い、利用者、家族の希望を踏まえて、ケアプランを作成する…

ケアマネの仕事は、リハビリテーション専門職、中でも「生活を見る」作業療法士と、非常に親和性が高いということを感じています。

特に2025年まであと10年に迫る、2015年の介護保険改定では、介護保険制度の根幹は「自立支援」にあることがあらためて明示されました。

そして、リハビリテーションマネジメントとして、サービス担当者会議のごとく、リハビリテーション会議の実施が通所リハ、訪問リハサービスに求められることになりました。

また、作業療法士の臨床思考過程を言語化した支援ツールである「生活行為向上マネジメント」が「自立支援」に資するとして、介護保険制度下で加算化しました。

しかし、2000点という高い点数と「卒業」ありきの転換についてくことができず、経営の厳しさに直面した数年でした。

自立支援型マネジメントが一番得意なのはリハ職か?

リハ職のイメージする「自立支援」と他職種、世間一般の「自立支援」という言葉の定義にずれがあるのではないか?

自立支援について考える、ケアマネさんとの勉強会で議論になったことです。

介護支援専門員=ケアマネの仕事とリハ職(OT)の親和性の高さをあらためて感じながら、ケアプランに位置付けられる、リハ職への期待が「身体機能面」に偏る現状を残念に思う一方で、ならば、本来の役割を豊かに表現できる言葉を自分が持っているのか?

何より、利用者さん、ご家族の希望する生活を共有した上での望まれる「自立支援」になっているのか?

『ケアプランに夢を書けるのはケアマネとOTだけ』

ケアマネさんとの勉強会にて

ケアプランに夢を書けるのはケアマネとOTだけやと思うよ!

この言葉に背中を押されるようにして、再研修に参加する機会を得ることができました。

ケアマネという仕事について、実際のケアプラン作成、模擬的ながら実務を学ぶ中でもう少し深めていきたい。

✔研修終了後、年明けの復職を目標に・・・

作業療法士以前に、子どもと関わる仕事をしてみたいという淡い思いと、これまで自分が積み上げてきた経験、自分の得意を活かすならば、元職作業療法士のケアマネジャーという新しいチャレンジもありかもしれない。

残りの研修期間で、もう少し掘り下げて考えていきたいと思っています。

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございました☆

 

☆『ケアマネという仕事を考える』…おすすめ情報

YouTube動画「ケアマネの介護酔話」
研修前夜におすすめに出てきてドキッとしました(^^;

☆ブログも参考になります(^^)