商工会議所主催の資格検定といえば、日商簿記検定!が有名ですね。
簿記検定と同様に受験資格の門戸が広く、介護業界で活用できる『福祉住環境コーディネーター』資格も、実は 商工会議所が主催する検定資格なんです。
資格創設は1999年。
ちょうど作業療法士として働き始めた頃。住宅改修や福祉用具の導入に実際に関わっていましたので、勉強になるかな?気になるな…と思いながら、ここまで機会を逸しておりました。
受験機会は年2回。
コロナ禍で2020年7月の検定試験は休止となっていたのですが、11月の検定試験が予定通り行われることを知り、簿記検定との1週間差は気になったのですが、思い立ったが吉日と受験を決意。
この度、2020年11月22日(日)に第45回『福祉住環境コーディネーター2級』受験してまいります!
✔勉強「1週間12時間」で合格可能か?
✔使った教材は?勉強の内容は?
✔勉強した感想+受験結果(後日追記)!
【福祉住環境コーディネーター2級】短期合格可能!
福祉住環境コーディネーター資格とは
福祉住環境コーディネーター検定試験ってどんな検定?
福祉住環境コーディネーターとは、高齢者や障がい者に対して住みやすい住環境を提案するアドバイザーです。
医療・福祉・建築について体系的で幅広い知識を身につけ、各種の専門職と連携をとりながらクライアントに適切な住宅改修プランを提示します。また福祉用具や諸施策情報などについてもアドバイスします。
検定受験者はケアマネージャーや福祉用具事業者、介護福祉士、理学療法士、作業療法士の他、福祉、医療系や建築関係の大学生、専門学生が在学中に挑戦しています。
福祉住環境コーディネーター資格も1級~3級があり、1級は2級合格者のみ受験資格が与えられ、2級、3級については同時受験、2級のみ受験も可能となっています。
福祉住環境コーディネーター2級資格があれば、介護保険制度を利用した住宅改修時に市町村に提出する「理由書」を作成することが可能です。
ちなみに、基本的には理由書は介護支援専門員が作成することとなっており、理学療法士、作業療法士資格でも作成可能です。
介護分野で仕事に活かすという観点ならば、「2級以上」の取得を目指す!ということになります。
そして、介護支援専門員、作業療法士ならば、基本的には2級以上の知識と同等を有していることが前提となっています。
【その他検定要綱】
●受験資格:学歴・年齢・性別・国籍による受験資格の制限はありません。
●検定料:3級 4, 400円、2級 6, 600円
●受験日程:毎年7月・11月の2回
●出題内容:3級「生活者の視点からの福祉と住環境の関連分野基礎知識」、2級「実務者の視点からの幅広く確実な専門知識とその理解、各専門職との連携により具体的解決策を提案できる能力」
●出題形式:マークシート方式による選択問題
●合格基準:100点満点中70点以上で合格
●制限時間:2時間
検定試験対策におすすめの教材
資格試験によく採用されるマークシート選択方式です。
マークシート方式の魅力は、全般知識が記憶できていれば、答えが問題文にあるという点です。
1回目は、おしくも?70点には届かなかったのですが…
高齢者、障がい者の制度面の知識と、建築、福祉用具の知識のアップデートができれば、何とかなる!という手ごたえでした。
使用する問題集は「ユーキャン」一択!
時間があれば、公式テキストでしっかりと勉強することもできますが、福祉住環境コーディネーター検定試験対策ならば、実際の頻出検定問題を使用したユーキャンの重要過去問&予想問題集が断然おすすめです。
※ユーキャンについては、介護支援専門員資格、保育士資格でもお世話になりました。マークシート方式の資格試験なら、まちがいなくおすすめの教材です。
購入時には制度改定の内容が反映されている、最新版(現在であれば「公式テキスト5訂版に対応」するもの)を使用することが大切です。
検定問題はこの4パターンで出題される
検定試験出題範囲の4分野、【福祉】【医療】【建築】【福祉用具】ごとに、ほぼ下記4パターンで構成されています。
加えて、事例に合わせた改修例として実際の住宅図面を見ながら設問に答える【事例問題】が出されます。
✔問題パターン①「最適解を選ぶ」
各分野のテーマごとに、正しい内容が書かれた文章を4つの選択肢から選ぶ問題です。
✔問題パターン②「不適切解を選ぶ」
問題パターン①の逆パターンです。4つの文章から不適切な説明文を選択します。
この2パターンは、比較的点数の取りやすい問題パターンです。
あきらかに不適切な文章が含まれていて迷う心配が少ないボーナス問題が多い印象。
ただし、制度の設立年度を問うものや、在宅で暮らす障がい者の割合は何パーセントかといった「数字」を問う細かい問題もあり、頻出問題については、年度や正しい数値を覚えておく必要があります。
また、「障がい者向けの住宅施策に関して」など説明文(a)~(d)について、それぞれ「適切か不適切」か、「〇/✖」並びを解答する複合問題も出題されます。
✔問題パターン③「図から正しい説明文を選ぶ」
図解問題は、【建築】分野と【福祉用具】分野からの出題が多いようです。
正しい説明順に説明文を並べた時の回答を1つ選択します。
✔問題パターン④「語句選択」
視覚障害など疾病・障害に関する知識や、福祉用具の説明、住宅改修に関わる制度利用の流れに関する知識など、出題範囲全般にわたる多様な内容となっており、その語句についての知識がなければ答えられない選択問題となっています。
勉強方法:問題繰り返し+ミスメモ作成
1週間の試験対策は、問題集&予想問題の繰り返し+ミスメモを1日2時間程度実施、ただいま振り返りブログ作成中(^^;
明日、いざ本番!です。
すべて手書きの簿記検定と違い、マークシート方式ということもあり、2時間の試験時間はかなり余裕があります。
おすすめのユーキャン問題集には予想模試は2つ。予備知識0で1回目を説いた際にも30分以上時間が余ってしまったのですが、2回目は1時間足らず解答できてしまいました。
ちなみに2回目の結果は「93点」。
そして予想模試2の1回目が…「75点」…マズイ(・・;)
弱点は、年度や現状を把握するための正確な数字と建築関係の用語が中心です。
また、福祉用具については、直接自身が取り扱ったことのないものや、最近貸与対象となったものについて、都度ネット検索し実物の写真や使用方法を確認。
知識のアップデートを同時に行っています。
勉強してよかったこと&本番結果
【福祉住環境コーディネーター2級】検定試験勉強をしてよかったこと
✔知識の棚卸+アップデートになる
✔特に建築・福祉用具の知識については一度はしっかり学ぶべき
✔自分や家族が利用する際にも役にたつ
介護保険制度が開始してから20年がたち、住宅改修、手すりの設置や福祉用具の導入について、療法士が意見を求められる機会が、「減っている」というのが実感です。
ケアマネ、福祉用具事業者任せになってしまっている!?という印象が強くなってきていました。
患者さんや利用者さんの生活動作能力を見極め、今後の暮らしの中で、どういった工夫をすれば「その人らしく、楽に、長持ちさせることができるのか」といったところは、作業療法士が一番得意とする場面です。
現実は…
在宅場面を想定しきれず、病院目線で的外れ、一般的な提案にとどまってしまっていたり、実際のその方の暮らし、生活習慣にとって本当に役に立っているかのフォローアップが不足していたり…。
ケアマネさん、福祉用具業者さんの抱負な知識・経験に助けられることが多くありました。
だからこそ、知識の棚卸・アップデートに『福祉住環境コーディネーター検定試験』は、おすすめです!
【追記】無事試験終了しました→結果は〇
当日のTwitterを検索しましたが、受験生の方のつぶやきがチラホラみられたものの、簿記検定のように解答速報が同日に出る!ということはなく…連休明け11月24日にユーキャンより解答速報が発表されるとの情報発見。
今か今かとユーキャン解答速報!を待ちわびつつ、自分なりにテキストとネット検索(汗)で「自己採点」!
✔失点箇所:後半に集中(-_-;)
●第7問/ア…解答④→正解②!
階段昇降機もホームエレベーターと同様に介護保険制度による住宅改修項目に該当してません!
なんで引っかかったや~Σ(゚д゚lll)…Aさんとこ自費で設置しはったやんかー!
●第7問/ウ…解答③→正解④…でしょう。 ユーキャン解答速報では③で正解でした。
スロープの通路幅は、自走の場合ゆとりをもたせたとて「900㎜」、1000㎜は必要ない⁉
●第9問9-2【オ】…解答②→正解① これも②「公益財団法人建築技術教育普及センター」で正解でした(^^;)
「公益社団法人インテリア産業協会」が実施している資格制度は「インテリアコーディネーター」!ひっかけ問題だったのですね。
●第10問10-1【オ】…解答②→正解①
キッチンなど下記を使用する部屋は「建築基準法」の内装制限にかかります!
つい、「消防法」を選択してしまいました。
●第10問10-2…解答②→正解④…でしょうか?でした!
自動排泄処理装置は、センサーで尿や弁を感知して、「真空方式」で吸引する仕組みです。
訪問リハで担当させていただいていた方が導入を検討されたことがあったのですが、現実は「音」の問題や設置スペースの問題、それから保険点数の問題等で、実現しなかった経過あり。
②電動式で随時に、を選らんでしまったのです。
✔上記以外の失点
●第2問/ウ…解答②→正答④です!
高齢者の心身の特性に関する記述の「不適切」選択問題。
②は歩行スピードが低下してくる点はその通りとして、青信号点灯時間は通常「1分間80m」の歩行スピードを想定している…という点にひっかかってしまったのでした。
「1分間60m」と記憶しておりました(>_<)
正解④は老年症候群は精神的な機能の低下が先でその後に身体機能低下が起こるという記述が、よくよく読めば「誤り」ですね。
●第3問/イ…解答④→正答②!?
関節リウマチに関する「不適切」選択問題。作業療法士としては正答しておかないといけない問題です。
②「最初に症状が現れる部位が大きな関節」というのにひっかかり、試験中✖といったん選択(確かに多くは手指の関節から発症することが多いはずなんです)。
④の手指関節の負担を軽減する調理用具として「小さめの包丁」となっている点にひっかかりました。
手関節の負担を軽減する「UDグリップ包丁」は「小さめの包丁」とは違うやろ!!と思ってしまったんですね~((+_+))
●第4問4-1【イ】…解答②→正解④福祉ホーム
福祉ホームは「障がい者総合支援法」に基づく市町村等の地域生活支援事業の任意事業です。知識定着不足の分野からの出題でした。
以上、現在のところ「8点減点=92点」で合格!の予定です。
本番は2時間の試験時間いっぱい集中しておりました!
何より「5歳の子供さんの将来を見据えた住宅改修事例」が印象深かったです。
今は抱っこで2階の寝室を利用しているけれど、1階の和室を改修して居室とし、トイレ・浴室・玄関のアクセスを考えた改修を検討されているという内容。
浴室のリフト設置に、理学療法士の助言を活かして、適切な浴槽のサイズ、またぎの高さ(埋め込み)を解答する設問等々。
とても興味深く、これぞ福祉住環境コーディネーターの知識が活かせる場面!と興味深く、学びになる問題でした。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました☆
過去問の事例も含めて、しっかりと学ぶならこのテキスト