次の検定試験にむけて、参考書や通信講座を前に勉強をはじめたばかりの方こんにちは!
「簿記3級では履歴書にかけないし意味ないぞ」等々の雑音は吹き飛ばしていただきたい!
【簿記】を学ぶ意義については、是非下記記事を参考にしてください^^
【簿記』の知識は役に立つ「2時間で決算書が読める」実証します!
【簿記】は現代社会を生きる人に必須の教養である!いざ勉強開始!
と、ある一定層が「簿記おもしろくない(*_*)」「難しい…?聞いてたのと違う?」と「挫折感」をあじわっているのではないでしょうか。
簿記検定は、「企業の経営活動を記録・計算・整理して、経営成績と財政状態を明らかにするための技術」であり、仕訳、勘定科目等の独特の簿記会計上のルールを学んだあとに、技術として使いこなせるかどうかを問う「技能試験」なのです。
検定試験対策は、過去問・予想問題の繰り返しにつきる!と心得ましょう\(^^)/
その上で、この記事は「ちょっと一休みしたい!」「簿記つまんねぇ~"(-""-)"」となってしまっている方に^^
「世界史から簿記を学ぶことでやる気をUPさせる」おすすめ書籍会計の世界史/田中靖浩 著」を紹介させていただきたいと思います!
【簿記勉強】会計の世界史から簿記の歴史を学ぼう
イタリア・ヴェネチアの風景
田中靖浩「会計の世界史」序文”旅のはじめ”にから
「会計歴史ツアー」へ、ようこそ!・・・特徴は次の2点です。
・会計の歴史を物語りとして表現したこと
・簿記、会計、ファイナンス全体を紹介したこと会計の勉強は「細かい計算や用語、手続き」中心であることが多く、歴史観をもって語られることがほとんどありません。
簿記を勉強している人のほとんどは、簿記がイタリア発祥であることを教わらず、経理担当者は減価償却が鉄道会社からはじまったことを知りません。公認会計士や税理士でもディスクロージャーのはじまりに「JFKのお父さん」がかかわっていることを知る人は少ないです。
・・・歴史のなかには意外な学びが隠されています。決算書、国際会計基準、予算や企業価値の誕生した時代を訪ねることで、「会計に対する視野を広げてもらえると思います。
経理担当者以外のビジネスパーソン、とくに経営者に必要なのは細かい処理を学ぶことではありません。「そのルールや仕組みが存在することの意味」を知ることの方が重要です。歴史的な学びは、きっとその理解に役立つことでしょう。・・・本書に細かい数字や計算はいっさい登場しません。会計を学ぶというよりはエンタテイメントとして、この旅をお楽しみください。
※ディスクロージャー:企業の情報開示の総称
複式簿記を開発したのはイタリア商人
現代も会計の基礎として世界中で活用されている「複式簿記」は、15世紀のイタリア商人が発展させたものと言われています!
15世紀のイタリア商人といえば「東方貿易」。イタリアは東方の玄関口として、中国やインドから陸路と海路を通じてヨーロッパ各地へ、胡椒やシナモン、ナツメグなどの香辛料を届ける取引で富を築いていました。
貿易が発展する中で、共同出資方式が考案され、帳簿は、単に所有しているものの記録ではなく出資者への利益配分を計算するための記録となり、複式簿記として進化発展していったといわれています。
イタリアといえばおなじみの「パスタ」もこの頃、東方よりシルクロードを通じて伝わったのだそうです。大切な商品を運ぶ船に乗り込む、船乗りは、海賊の出没や、悪天候で遭難する危険と隣り合わせでした。
危険を承知で海に出る船乗り「リズカーレ」は「勇気あるもの」という意味、転じて「リスク」というおなじみの言葉の語源だそうです(^^♪
イタリア商人を助けた天使「バンコ(銀行)」
「会計の世界史」では有名な絵画を元に銀行のはじまりの歴史をひも解いてくれています。
アンドレア・デル・ヴェロッキオ「トビアスと天使」(©MUSEY [ミュージー]より)
赤いパンツの少年”トビアス”は目の見えないお父さんにかわって売掛金の回収に行く道中、天使に見守られている姿が描かれています。
イタリア商人は、取引の道中、海や陸のあらゆる場所で、盗賊に襲われるかもしれない心配と、身内の裏切りと常に隣り合わせでした。
ここで商人たちの心配を減らすべく、バンコ(Banco)と言われる「為替手形」取引を提供する銀行サービスが登場するのです。
各都市国家で異なる通貨を使用していた当時、バンコは通貨両替サービスに加えて、為替手形による遠隔地キャッシュレス・サービスの提供をはじめ、手数料商売で大発展を遂げていました。
しかし「時間は神のもの」とされていた中世。キリスト教が支配する世の中では、商人が融資の際に「利息」をとることを禁止していました。
現実には商人の「借りたい」ニーズは存在します。
「利息の禁止」は異教徒であるユダヤ教徒には適用されないため、金を貸す「融資」は卑しい仕事としてユダヤ人に押し付けられていました。
シェイクスピア作「ヴェニスの商人」には、船乗りアントーニオが、ユダヤ人金貸しシャイロックから「船が帰ってくれば金は返せる」といい、自身の肉1ポンド(*_*;を担保にお金を借り、「船が遭難した」という知らせで窮地に追い込まれる一節が描かれています。
いつの時代も「金が足りない」=資金繰りは商人たちにとって最大の心配事です。
借りたい商人と貸したいバンコ。彼らは融資にあたって「これは利息ではない」という理屈として、融資の見返りに受け取るお金は「それを他に使えば得られたであろう儲け」という言い訳を考えだします。
この「失われたチャンスの補填」は「インテレッセ」と呼ばれました。
そうインテレッセは「interest(利息)」の語源、利息を偽装する屁理屈始まりなのです(*^^*)
融資や回収、為替手形の発行や決済といった取引記録をつける必要に迫られたバンコと商売を拡大するイタリア商人たちの手によって、帳簿をより正確につけるための簿記の技術が発展し「複式簿記」の誕生につながりました。
【簿記革命】レオナルド・ダ・ヴィンチが生きた時代に
15世紀末は「モナリザ」「最後の晩餐」でおなじみの芸術家、レオナルド・ダ・ヴィンチが生きた時代です。
このころ、イタリアの繊維産業は毛織物産業から木綿産業へとシフトし、会計の歴史に大きな影響を与えた「紙」の生産増加につながりました。
「最後の晩餐」の制作にとりかかったころのレオナルドは、様々な絵画技法を研究する中で、ある数学者の本に出合います。
ルカ・パチョーリ著「算術・幾何、比及び比例全書(スンマ)」です。
レオナルドが愛読した「スンマ」には27ページ「簿記」についての記載されており、発行された1494年は「簿記元年」とされています。
「ルカ先生から平方根を習うこと♡」というレオナルドのメモが現代に残っているそうですが、二人の偉人はミラノで出会い、ルカ先生からのアドバイスも参考に「最後の晩餐」は4年の歳月をかけて完成✨
融資で拡大する商業とともに複式簿記が発展し、数学の知識も織り込まれた偉大な絵画も生まれた中世ルネッサンス期。
世界史のダイナミックな流れにワクワクしますね(^^♪
簿記革命から会社革命へ
「スンマ」が出版されたころのヨーロッパは大転換期。「中世」が終わり次の「近世」がやってくるちょうど境目です。
神が支配する時代から、人間が中心の時代へ
転換のきっかけは「ローマ数字」から現代にも使われている「アラビア数字1・2・3」への移行です。
「ゼロ」の概念を含む「アラビア数字」はインドからアラビアを経てヨーロッパに伝わりました。
0と繰り上がりの概念がなく、例えば「777」を「DCCLXXVⅡ」と 表記していたローマ数字はかなり面倒くさかったはず"(-""-)"
数字だけではなく、格調高いラテン語から口語への変化も起こりました。
数字と言葉に加えて「時計」も登場、科学は新たな領域にすすみ、海図、絵画の遠近法、音楽の五線譜などさまざまな発明が生み出されました。
時間と空間の概念、数量革命を背景に「世界の歴史」を大きく変えてしまったのが「インド航路の発見」👀でした!
ポルトガルのバスコ・ダ・ガマが、アフリカ南端の喜望岬を回って、直接インドへ向かう新航路を発見したのです。
航路技術や海図・コンパスの革新、船乗りの勇気がもたらした16世紀の「大航海時代」の幕開けです。
ヴェネチアの船は少しずつ地中海からその姿を消し、ポルトガルとスペインの船が海の主役になっていきました。
ここで商人の国として栄光を築いたのは、スペインでもポルトガルでもなくオランダ🌷でした。
アムステルダムを拠点として、貿易業と海運業を発達させ、いよいよ「株式会社」の登場です。
カトリックからプロテスタント、ユダヤ教まで宗教を超えて商人が集まるアムステルダムには「情報」が集まり「市場」ができ、取引を求めてまた多くの人が集まる好循環が生まれました。
そして、継続的に運営する会社として、世界で初めての株式会社といわれている「東インド会社」の設立に至ります。
出資者に株主が加わることで経営のしくみは大きく変わります。
・事業の儲けをきちんと計算する
・儲けの相当分を出資比率に応じて分配する
→ 複式簿記が必須となりました!
「正しい計算と分配」は株主から資金を預かる以上、果たさなければならない最低限の責任です。
資金を預かった経営者から資金を提供した株主に向けての儲けの報告(=account for)が「会計acouting」の語源、会計のルーツなのです\(^o^)/
まとめ 会計の歴史の旅はつづく^^
「会計の世界史」は第2部、第3部と 、ジャズやロックの名曲に合わせて歴史の舞台をイギリスからアメリカへと移動させながら現代へと導いてくれます。
未来の価値への投資「価値革命」を物語る”ビートルズ”
1960年代にデビューしたビートルズ楽曲は、デビュー少し前に「楽曲の権利を会社に譲渡する」という契約書にさせられたサインのために「資本の論理」でたらい回しとなっていました。
約20年後に訪れた著作権を買い戻すチャンスが訪れました。
提示された額は2000万ポンド(当時レートで90億円)。
「自分たちの曲に2000万ポンド(-_-;)」という「コスト」に意識を向けて、半額に値切れないの?とオノ・ヨーコが納得せず・・・交渉決裂。
「リターン」を重視したマイケル・ジャクソンに「5300万ドル(当時レート130億円)✨」で購入されてしまった!のでした。
本書ではその他、ポール・マッカートニーの名曲「イエスタディ」になぜ管弦楽器が用いられたか、5人目のビートルズと言われた敏腕プロデューサーの存在についても紹介されており、是非手にとって読んでいただきたいです(^^♪
「コスト」か「リターン」か
元々、簿記を勉強しよう!という最初のきっかけは、事業所の赤字を現場の人件費と営業努力不足のせいにし、数字が羅列された表を見せるだけの事務方に対しての怒り🔥の感情からでした(-"-)
数字を見る力をつけたい
出発点が「帳簿をつくる<簿記>」を学ぶこと♪
雇われる身になるとしても、株主として株式投資を学ぶにしても、「決算書を読む<財務会計>」「未来を描く<管理会計&ファイナンス>」力へと数字を見る力を発展させていきたい!
さあ!簿記の勉強!がんばってまいりましょう\(^o^)/
★歴史が好きならこちらの本も是非^^★