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【書評】「働き方」幸福論は哲学入門におすすめの一冊!

 

なんちき
なんちき
幸せな「働き方」とは?

 

その答えは紀元前に出されていた!?

 

歴史に残る哲学者の言葉に「幸せな働き方」のヒントがありました!

 

今回紹介させていただく書籍は、齋藤隆一氏著『「働き方」幸福論』です。

 

「働き方」幸福論・おすすめ読者(年齢不問!)

●「働き方」に悩んでいる方
●「働き方」に役立つ哲学について知りたい方
●「働き方」を見直して幸せに生きたいと思っている方

 

なんちき
なんちき
哲学入門にもおすすめの一冊です!

 

哲学=考えることの原点を学んでみたい。

興味はありながら、原典に触れる勇気はなく、歴々の哲学者が後世に残した言葉についても、ビジネス書で聞きかじる程度でした。

哲学ねこのワードに惹かれ(^^;手に取った『「働き方」幸福論』こそ、

誰にでも身近な「働き方」の悩みを元に、哲学を学ぶことができる一冊です。

 

 

なんちき
なんちき
それでは、『哲学ねこソフィーと学ぶ「働き方」幸福論』のここがいい!紹介させていただきます。

 

【働き方】幸福論は哲学者に出会える本

「働き方」幸福論
著者:齋藤隆一氏 略歴

通信会社系のシンクタンクに勤務しながら、哲学と村上春樹の読み解きを行っている。
代表著作「1冊でわかる村上春樹」
共著に「知識ゼロからの哲学入門」「高校生のための哲学・思想入門)

※上記、共著の代表著者は、日本の哲学者:竹田青嗣氏(早稲田大学名誉教授)。2020/4/25に新刊書籍「哲学とは何か」を出版。哲学入門者むけの書籍を多数手がけておられます。

 

「働き方」にまつわる「哲学」をまんがでやさしく学べる

「働き方」幸福論の特徴

●哲学ねこ「ソフィー」と28歳のOL「つむぎ」、35歳の高校の倫理教師「ショセイ」を主な登場人物として、やわらかタッチのまんがで構成されている

●まんがでストーリーを追いかけながら、働くことにまつわる「生きがい」「やりがい」「人間関係」の悩みにこたえるヒントが哲学者の言葉の中にあることを学ぶことができる

☆まんが原作:さとうもえ氏
まんが:はったあい氏

なんちき
なんちき
哲学ねこのソフィーと偶然に出会った主人公つむぎちゃんと一緒に「ゆるりと」哲学の世界に入っていくことができます!

5人の哲学者の「働き方」幸福論

「働き方」幸福論に登場する哲学者たち

第1章|アリストテレス
「中」であることが幸福である
第2章|ヘーゲル
「事そのもの」を作り上げていくのが本当の生き方
第3章|ニーチェ
「ルサンチマン」が人生をダメにする
第4章|ラッセル
私が思う「私」と、相手が思う「私」には落差がある
第5章|アラン
不幸を生み出す源泉は「想像力」にある

「働き方」にまつわる5つの悩みに合わせて、アリストテレスからアランまで、哲学は悩みを解決するヒントになる!

「働き方」の悩みには哲学が効く

 

第1章「ああ、全然仕事が終わらない」

 

”まんが”あらすじ

レトルト食品を扱う企業に勤める「つむぎ」は、念願の商品企画部に配属され、休日出勤中…頑張れば頑張るほど幸せが遠のいていくようなむなしい気持ちになっています。

高校倫理教師「ショセイ」が紹介したのは、アリストテレスの考え方でした。

アリストテレス
アリストテレス
人間にとっての究極の目的は幸福になること。「徳(アレテー)に沿って行動しよう!

「適切」であることが幸福につながる(本書p.41)

「徳」は生まれながらに備わったものではなく、生活の習慣の中で身につくものだとアリストテレスは語る。「徳のある人」になるために必要なことは何か。それがマンガでも紹介した「中」であること。アリストテレスは、その人の性向に過剰または不足がある状態は悪徳であり、「適切」であることに徳があるとした。

 

なんちき
なんちき
自分にとっての適切を見つけることが大切!

 

✔第2章「また会議で企画にダメ出しされた」

 

ヘーゲル
ヘーゲル
否定は社会の成熟、自由を獲得するための原動力である。

 

✔第3章「私よりいつも同期ばかりが評価される」

 

ニーチェ
ニーチェ
ルサンチマン(恨み・ねたみ)が人を不幸にする。
もはや愛することができないときは、しずかに通り過ぎることだ!

この章では、アルトゥール・ショーペンハウアーの、ペシミズム(悲観主義)の哲学が合わせて紹介されています。

…私たちの生きる世界を「最悪の世界」と定義し、そんな悲惨な世界で人ができるだけ快適に幸せに過ごすためのマニュアルとして書いたのが「幸福について」である。
ショーペンハウアーは、最悪の世界で生きるために一番大切なものは「人柄や人間性」だという。財産や地位は失われることもあるが、人柄や人間性は誰もそれを奪うことはできないからだ。そもそも幸福は主観に基づくものである。例えば、飲みかけのグラス半分のワインを見てまだ半分もあると思う人もあれば、もう半分しかないと思う人もいるという具合だ。人格的に優れた人は、どんな境遇にあっても自らの思考でそれを楽しむことができるという。
…自分の内で得られるものこそが、真の幸福だという。まず心根が明るくて健康であること、次に芸術、文学、哲学などの知的活動を通じて自己の思索を深め、それを実現しようと努めること。そのためには、孤独と自由になる時間こそが最高の財宝だ…。

p.108 もっと哲学 ショーペンハウアー より

 

なんちき
なんちき
”飲みかけのワイン”の話は聞いたことがありました。
ショーペンハウアー「幸福について」読んでみたい!

 

✔第4章「上司の恨みを買ってしまった」

 

ラッセル
ラッセル
幸福な人とは、客観的な生き方をし、自由な愛情と広い興味を持っている人である。

 

第5章「頑張ってもまた失敗するに決まってる」

 

アラン
アラン
しあわせになる秘訣の一つは、自分の気分に無関心になるということだ。

各章ごと、哲学者の人物紹介と合わせて、時代背景と主なエピソード、同時代を生きたその他の哲学者について、各哲学者の思想や生き方が平易な言葉で紹介されており、「もっと知りたい!」と読者を哲学の世界へ導いてくれます。

 

なんちき
なんちき
悩みに合わせた哲学者の考えを知りたい方
哲学にはじめて触れるなら「働き方」幸福論が最適です!

 

「働き方」幸福論は哲学入門に最適

ブログ管理者なんちきの感想

「同一労働同一賃金」「働き方改革」「終身雇用制度崩壊」等々…

誰もが「働き方」を問われる時代になっています。

 

✔一度っきりの人生、自分が幸せを感じられる「働き方」を選びたい

 

コロナ自粛明け、就職活動の再開を前に、気になっていた「哲学」をキーワードに働き方を考える本書を手に取ってみました。

本書で挙げられた悩みは、企業に勤める新人~中堅の「人間関係の悩み」が主です。

「働き方」にまつわるその他のテーマ

✔雇用されるか起業するか

✔正規か非正規か

✔働く時間や頻度はどうするのか

哲学者たちの言葉は大いにヒントになると感じました。

 

✔働き方は生き方である

これからの働き方=生き方として、自分がどう物事を捉え、考えるのか

幸せに生きるためのヒントを人類の英知である哲学から学ばないのはもったいない!

 

哲学は難しい、学者のための学問、現代には古い考え方…というネガティブイメージを払拭できる一冊になりました。

”まんが”でやわらかく哲学を知ることができる点が本書の魅力です。

唯一、残念な点をあげるとすれば、哲学ねこ・ソフィーのキャラでしょうか。

描かれるソフィーはとってもかわいいのに、つぶやくセリフが、ちょっと偉そうでかわいくないんです(あくまでも筆者の感想です^^;)。

 

「働くのはお金のため」という側面はもちろんあるけれど、

そもそも、生きがい、やりがいをもって働くとはどんな「働き方」なのか?

考えてみる最初の一冊に!

『哲学ねこソフィーと学ぶ「働き方」幸福論』おすすめです!

最後まで読んでくださり、ありがとうございました☆