「6月1日から夏服になります!」
「中に着るシャツは色物禁止!」
「靴下と靴は白!ライン禁止!」
・・・というのは我が子の中学の話^^
年間で「衣替え」を意識するのは、学生服のチェンジくらい?と思うほど、慣習として定着させないまま、人生が半分過ぎてしまいました。
仕事で接する対象者さんが女性の場合、「衣替え」が滞ることを嘆かれている場面には、何度となく立ち合い、都度どこか懐かしい気持ちになりながら、一緒に困っておりました(^^;
家族が旦那さんや息子さんだけの場合、季節にあったパジャマや下着を探し当てることができずに、入院の度に新しいものを買ってきてしまい、家がパジャマと下着だらけになるという話。
また、季節に合わせたちょうどいい室内用防寒具「カーディガン」や「チョッキ」のたぐいも確実に見つかりません。
「2階のあのタンスの引き出しにしまってあるはずやねんけど(*_*)」という言葉を頼りに、どうにかこうにか、階段を昇って一緒に探すという時間を共にしたこともありました(ご本人の記憶通りには見つかりません^^;)
娘さんがいる場合には、別の悲劇が起こることもあります。
自分の入院中に衣服を中心とした愛着ある物をすっかり断捨離されてしまうという悲劇です。
大正、昭和初期までに生まれた女性には「衣替え」を年間行事として、当たり前にきちんとしたいという意識のある方が多い印象です。
少し後の自分の親(団塊の世代)なんかは、もう「衣替え」より、手放したらいい!また必要なら新しく買ったらいい!という世代になっている気がします。
四季に合わせた「衣替え」の慣習の変化はいつからおきたのか?
その原因は何か?について、この機会に考えてみました。
結論は・・・表題の通り(^^!
一つめの変化は「ユニクロ」の登場にあるとみています。
筆者は、社会人になってから、ずっとデフレのいわゆるロスジェネ世代です。
何かあった時・・・例えば、久しぶりに友人に会う!なんていうときに、
「着ていく服がな~い(>_<)!」と焦る、一般的な感覚の持ち主でもあります。
季節に合わせて、今シーズンに着る新しい服や靴が欲しいという気持ちは、今も残っております。
特に高校、短大時代までは、憧れのファッションブランド(Do Family!とか?久しぶりに思い出しました…懐かしい^^)の服を買いに、都会に出かける楽しみを持っておりました。
そこに、ファストファッションの代表「ユニクロ」の降臨です。
6月現在、誕生感謝祭中の「ユニクロ」創業はバブル崩壊前の1984年(思っていたより昔)!
2020年で36周年を迎えるユニクロは、何ゆえに、現在の地位を獲得したのか?
ウイキペディアによれば、1997年にアメリカの衣料品小売店GAPをモデルに、現在の形、製造小売店への事業転換をすすめたのが、大きな転換点だったようです。
『気がつけばみんな「ユニクロ」を着ている 平成におきたアパレル革命』 2018/11/05.林芳樹氏(Google検索にて【WWD japan】コラムから原文を読むことができます)より
ユニクロの存在を世に知らしめたのは、1998年から始まったフリースブームにあったとされています。
それまで、アウトドアブランドの専売特許であったフリースに価格破壊(1万円が常識だったところが1,900円!)をもたらし、安くてシンプルで機能性も優れた商品が次々と展開され、平成のアパレル業界を席巻していきました。
「服はファッション性が全てではない。そんなことに興味がある人はごく一部。服に興味がない人がストレスなく楽しめるのが本当に良い服だ」――柳井正会長
十数年前、インタビュアに語ったとされる柳井会長の上記コメントをひきながら、ユニクロ成長の最大の理由は「服に興味がない人」というターゲット設定にあると論じられておりました。
社会人として働き始めた場は、医療・介護業界(制服あり)かつ、通勤は自転車でした。
人目を気遣うオシャレが要求されるオフィスレディとは違い、ファッションに無頓着でいることが許される人生を選択しました。
「ユニクロ」が設定するターゲットにぴったりとはまったと言えます。
筆者としては、一世を風靡したフリース以上に、2003年ヒートテックの登場が、冬の生活に革命をもたらしたという実感があります。
ヒートテックとウルトラライトダウンジャケットの登場(2009年)によって、端的に言えば、冬でも薄着で良くなった。そして、収納に場所をとらなくなったのです。
値段が安いことで、毎年新調することへの抵抗もありません。
ダウンジャケットを家の洗濯機で洗ってみるという暴挙にも打って出ることができます(多少、へたりますけど大丈夫です^^)。
「ユニクロ」の存在、進化は、冬の「衣替え」慣習を完全にうやむやにしてしまいました。
つづいて、2つ目の理由・・・近年の「ミニマリスト」ブームです。
筆者自身は、ミニチュア小物、雑貨大好き人間ですので、うっかりスーパーのガチャガチャコーナーに子どもをダシに立ち寄って、100円ユーホーキャッチャーのひよこを集めてみたり、くっつくんです(ガチャガチャ商品:アンパンマン磁石)をコレクションしてみたり…
まったくもって、ミニマリストとは縁遠い習性の人です(^^;
が・・・「ミニマリスト」「シンプルライフ」とやらに、憧れは抱いております。
「フランス人は服を10着しかもたない」という本が流行った時には、自分の服は何枚あるかを数えてギョッとし、「ときめき」を参考にしたかどうかはさておき、断捨離を試みたりもしました。
ミニマリストのYouTube動画も視聴します。
「10着コーデ特集」とかも好きです。
なんせ10着です。衣服の収納に、もはや特別のスペースはいらない。
その方が「おしゃれでシンプルな生き方である」というメッセージがそこにはあります。
できるビジネスマン界隈もしかりです。
一日に9,000回いや35,000回は行っているとされている日々の「選択」を減らす。
「何を着るか」よりも重要なことに脳のリソースを割くために、衣服は種類、枚数を厳選、清潔ならば毎日同じでOKなのだ!と説いておられます。
もはや、物がたくさんあることに価値はない時代なのです。
そこで、我が家の衣類、収納事情を確認してみます。
めったに着る機会のないもの、冠婚葬祭関係の服、コート類については、家族で一か所のクローゼットにまとめて保管中です。
旦那さんは、バブル全盛期に青春を謳歌した人ですが、現在は、いわゆる作業着と軍足を年間通して、プライベートでも「楽だから」と着用しております。
できるビジネスマンとは完全に違う世界の人ではありますが、出会ったころから「選択」を減らして暮らす人でした。
子どもは男子、高校生になり、靴が白のスニーカー一足だけという事実に気づき、徐々にオシャレには目覚めつつあるのですが、はるか以前からオシャレな女子に比べればかわいいもんです^^
学ラン、ワイシャツと部活で着用するすぐ乾くTシャツにジャージ、ジーパンさえあればことたります。
やはり、服や小物の保管数は、自分がダントツで多いワケなのですが、押し入れ上部半畳のハンガーラックスペースに収まる数だけと心掛けております。
今の時期なら、いわゆる秋冬ものはストールをかけて目隠し、スペースを視覚的に半分にわけて「目に入る暑苦しさ」を回避、いわゆる「衣替え」は行わなくなりました。
以上、「衣替え」という慣習が自分から失われてしまった理由について、書いてみました。
<ところで>
「衣替え」の概念に布団が入るのだとしたら・・・
実家を出た19歳の頃から、欠かすことのなかった大好きアイテム「こたつ」!
こたつ布団を出す時期と、重い腰を上げてやっとしまう時期(たいていゴールデンウィーク^^)と「衣替え」の時期はリンクしているように思います。
大好きなこたつを、「ソファーのある生活」への安易な憧れで手放してしまってから、余計に「衣替え」を意識しなくなってしまったように思います。
毛布や敷きパッド類は、やはり季節に合わせて「衣替え」が必要ですから、厳密に言えば、「衣替え」を全くしていないわけではないなと、「こたつのある生活」を懐かしみつつ思いいたりました。
あと、ソーイングや手編みが好きです(根気がないので材料と作りかけが押し入れのもう半分を占拠中です^^;)。
服が10着しかいらないなら、わざわざ作る必要はないかもしれない。
手編みのセーターを着るほど寒い冬は来なくなりました。
清潔な衣服が安価で手に入る幸せな時代です。
それでも、物を大切に、四季を感じながら暮らすことの良さはあり、今と昔、どっちがいいとか悪いではなくて、個々人が心地よく暮らせる世の中が一番いい。
「衣替え」を通してあらためて、「心地よく暮らすこと」を考える時間をいただきました。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました☆
key word :「衣替え」
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