こんにちは、なんちきです☆
いよいよ最終出勤日まで残り2か月を切りました。
今日は、定例の同職種勉強会、持ち回り担当の日でした。
私を入れて12名。ただし、全員、自部門とは異なる入院部門のメンバーです。
15年間、勤めてきた職場ではありますが、直近の6年間出向していたこともあり、病院の入院部門で主に働く後輩たちとは、同じ現場で働いたことがありません。
いわゆる、「背中を見せる機会」を持てた後輩はほとんどいません。
倍ほどの年齢差と管理職という壁、外回りと入院部門という関係上、自然なコミュニケーションは生まれづらい環境で普段は過ごしています。
そして、後輩たちには、まだ退職を伝えていない状況です。
来年にはこの場にいない自分が、何を残せるのか、残すべきなのか?
前日になって、強烈な思いに突き動かされました。
「悩みもがきながら続けてきた自分の経験と、この仕事の価値を伝えたい」
結果、うまくいったとは必ずしも言えない(*_*)のですが、実践して感じたこと、
「経験を言葉で伝えるということ」について、気づいたことをまとめてみたいと思います。
この記事がおすすめなのはこんな方
1.言葉で伝えることに不安のある方
2.後輩指導に悩んでいる方
3.実際の経験談を知りたい方
経験を言葉にするときに大切な【3つの視点】
1.伝えたい相手は誰なのか?
今回の場合は、同職種の後輩でした。伝えたい相手により、ベースとなる人間関係、距離感、専門用語など前提となる知識がどこまで共有されているかが異なります。
今回の場合は、「同職種」かつ「後輩」ということで、前提として同じ専門職として持ち合わせているはずの専門用語等の知識は共有されている状態です。
そして「後輩」であるということで、批判的意見の出しづらい緊張のある関係性でした。
緊張を緩和する工夫として、あえて資料をつくりこまないという方法をとりました。
2.「伝える」と「伝わる」の違い
私たち、医療従事者が必ず行う、経験の言語化が、事例報告(症例報告)です。
専門職として、ある背景を持たれた方に関わった結果、どのような結果になったのか、得られた教訓について言語化し伝えることは、職種としての経験知を積み上げていくために欠かすことのできない実践です。
今回の勉強会では、事例を通して、自分の経験を伝えてみようと試みました。
学術誌への投稿形式でまとめたり、学会発表のようなパワーポイント資料を作りこむ時間がなかったというのも正直なところなのですが^^;
むしろ、今回「伝わってほしい」という思いを込めて、A4のレジュメ一枚に、簡単な事例の紹介と、あとは語りをその場で加える方法をとりました。
3.「物語」だからこそ「伝わる」
認知症のある利用者さんへの訪問リハビリ導入をテーマに、初回の面接から介入数回までの間の思考過程について、文字で創りこまずに、その場で「語り」伝えることにしました。
専門職として利用者さんに向き合う際に一番大切にしている姿勢を伝えたかったということがありました。
ご家族の「動けなくなったら、歩けなくなったら困る」という不安から、ご利用が開始されたケースです。
たとえ、ご本人自身が必要性を認識しておられない状況でも、認知症を患われていても、その方らしく暮らしていただくために、貢献できることはないかを考えて関わることが前提です。
「その方らしさとは何なのか」
何を大切に、何に価値をおいてこれまでの人生を生きてこられたか、どのような些細なことも、語られる言葉、自然と行われている生活習慣を拾いあげ、人生のストーリーを追体験させていただく時間が必要です。
さあ、運動しましょう、歩きましょう、こちらのペースでの関わりでは、拒否されて終わりです。それを「認知症があるからリハビリはできません」とするのは一番ナンセンスなのですが、残念ながら、よくある「ダメリハ」エピソードでもあります。
「人は目的や価値ある作業を通して健康や幸福になる」何より大切なのは、その方の人生に興味をもって関わること。
この前提がなければ、どのようなすばらしい知識や手技を持っていても、作業療法士として、リハビリテーション・作業療法を実践することはできない。
後輩の一人から「担当の〇〇さん、認知症と拒否が強くて難しいって、あきらめかけていたんですが、今日の勉強会でヒントいただけました!もうちょっと粘ってみます!」と、うれしい感想が聞けました・・・(ノД`)・゜・。
まとめ*職業人生を振り返って
「伝え方」についてのおすすめ書籍
大ベストセラーとなった、コピーライター/佐々木圭一さんの「伝え方が9割」です!
「伝え方で結果は変わる!」「感動は言葉で生み出せる」等々、具体的で実践的な「伝え方」が学べます。
マンガ版も出版されています^^
書籍で学んだことを参考にして、いざ実践!といきたかったのですが・・・
今回は、「これが最後かも」という自分勝手な熱い思いが入りすぎました(>_<)
職業人生を振り返って*あとがき*
高校・医療短大卒業後、一般社会経験のないまま、この業界に入って、自分自身の薄っぺらさに悩みながら、あちこちの研修会を少しかじっては、患者さん、利用者さんの困りごとに何とか自分なりに応えてきました。
出会った方々の人生に、ご縁あって関わらせていただくの中で、人の人生はいろいろあって面白い!、ということに心動かされて、ここまできてしまいました。
後輩たちにとっては、論文発表や研究発表という形で、職種に貢献することなく、ぼちぼちと20数年働いてきたダメ見本ではあるけれど、「この仕事の価値を伝えたい」という、等身大の思いだけは、何とか届いたでしょうか。
振り返ってみてあらためて、業界を離れること、この仕事をやめるのが、少し惜しくなってきております。
「私、この仕事好きだったんだなぁ」と気づかせていただいたことに感謝です。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました☆