ただいま、介護支援専門員・再研修(実務未経験者対象研修)受講中です。
2020年コロナ禍、前回より少人数での「アセスメント・ケアプラン作成研修」がスタートしました。
感染拡大防止策によるソーシャルディスタンス、マスク・フェイスシールド着用下、グループワークは通常通りにはいかず、個人ワークベース!
というワケで、予防ケアプラン作成研修の予習ノートして本記事を作成させていただきます!
<この記事でお伝えすること>
●介護予防ケアプラン・自立支援ケアマネジメントについて思うこと
●研修前の自立支援ケアマネジメント予習ノート
●研修後の振り返りの後日追記!
【ケアマネ再研修】「自立支援」ケアマネジメントとは
再研修・実務未経験者向け研修「演習シート集」より
<自立支援のためのケアマネジメントの基本>
目的:利用者の尊厳の保持及び自立支援に資するケアマネジメントの視点を理解する。
また、利用者が住み慣れた地域で主体的な生活を送ることができるように支援することの重要性を理解するとともに、在宅生活を支援する上で、家族に対する支援の重要性を理解する。【習得目標】
①中立・公平なケアマネジメントの重要性について説明できる。
②運営基準を順守したケアマネジメントの重要性を説明できる。
③利用者本位の選択を支えるケアマネジメントの意義を説明できる。
④利用者の権利を尊重したケアマネジメントの重要性について説明できる。
⑤社会資源を活用したケアマネジメントの必要性について説明できる。
⑥利用者の能力に応じたケアマネジメントの必要性について説明できる。
⑦家族に対する支援の重要性について説明できる。
⑧介護予防ケアマネジメントの考え方について説明できる。
介護保険の基本理念「自立支援」の基本がここにある⁉
介護予防事業として導入された「基本チェックリスト」
基本チェックリストとは、65歳以上の高齢者が自分の生活や健康状態を振り返り、心身の機能で衰えているところがないかどうかをチェックするためのものです。生活機能の低下のおそれがある高齢者を早期に把握し、介護予防・日常生活支援総合事業へつなげることにより状態悪化を防ぐためのツールです。
全25項目の質問で構成されています。
2016年度(平成28年度)より、介護予防・日常生活支援総合事業、いわゆる「総合事業」がスタート。
増え続ける高齢者、介護保険の財源問題を前に、要支援利用者に最も多く利用されていた、訪問介護、通所介護が「総合事業」に移行。これまでの介護予防事業を総括し、市町村単位での総合事業への移行・強化がすすめられました。
✔効果が問われる介護予防事業
厚労省作成の基本チェックリストは、2006年度(平成18年度)に作成され、いわゆる介護保険申請に至る前の前期高齢者(65歳~74歳)の介護予防に資する目的で作成されました。
介護予防事業…その名の通り、介護に至る前に予防しよう!という取り組みですが、地域格差は大きく、芳しい成果が得られなかった結果としての、予防給付の総合事業への一部移行でした。
同時に、ケアマネの質向上が問われ、課題整理総括表の導入、自立支援型ケアプラン作成のための多職種参加による「地域ケア会議」の実施が各自治体に義務付けられました。
お世話型ケアプラン=自宅でお風呂が入れないから「通所介護でお風呂」、買い物に行けなくなったから「訪問介護の生活援助」といったケアプランからの脱却が問われたのです。
介護予防ケアプランの負担に見合わない点数問題
介護予防ケアプランは、基本的には地域包括支援センターが管理していますが、多様な役割が求められている中、介護予防ケアプランの多くは民間のケアプランセンターに委託されています。
上記動画は、前提となるケアプラン作成料が、労力に見合っていない!という現役ケアマネさんの悲痛な意見です。
来年度予定されている改定で、その点の改善が期待されていますが…
サービス事業者側としてケアマネさんの対応差を予防と介護で感じたことは少なく、むしろ、書類業務の負担、変化しやすい時期にある要支援利用者こそ対応のきめ細やかさが求められていることを感じることも多かったです。
介護予防サービス・支援計画書(最終A3一枚にまとめます)
再研修・実務未経験者向け研修「演習シート集」より
介護予防サービス・支援計画(ケアマネジメント結果等記録表)記載要領抜粋
「目標とする生活」
利用者が今後どのような生活を送りたいか、利用者自身の意思意欲を尊重し、希日常生活のイメージを具体的にすることで、利用者が介護予防へ主体的に取り組む動機付けとなる。「一日」は、大きな目標にたどり着くための段階的な目標である場合や、健康管理能力や機能の向上・生活行為の拡大・環境改善など、様々な目標が設定される場合もあり得る。また、利用者が達成感自己効力感が得られるような内容が望ましい。
「一年」は、利用者とともに、生きがいや楽しみを話し合い、今後の生活で達成したい目標を設定する。あくまでも、介護予防支援及び介護予防ケアマネジメントや利用者の取り組みによって達成可能な具体的な目標とする。計画作成者は利用者の現在の状況と今後の改善の可能性の分析を行い、利用者の活動等が拡大した状態を想像してもらいながら、その人らしい自己実現を引き出すようにする。
8ページにわたって、各項目に何を記載すればよいのかがまとめられており、目標とする生活を利用者と共有するところから、支援計画を立てていく設計になっています。
目標達成=自立支援(卒業)
「一日の目標」から「一年の目標」として明確にすることで、一年程度で目標達成し、介護サービスを「卒業」することが想定されてるようです。
介護予防支援2事例を通しての学んだこと
演習シートに、各事例基本情報、生活背景、基本チェックリスト結果、認定調査票(特記事項)、完成した介護予防サービス・支援計画書がまとめられています。
介護予防支援事例①
Aさん(66歳・女性)
脊柱管狭窄症の悪化により、特に痛みの強いときは、「立ち上がる」ことも「歩くこと」もできず、徐々に居宅内での活動量、活動範囲が狭くなってきている。心配した長女により要介護認定申請。
結果、要支援1となり長女とともに地域包括支援センターに相談に訪れた事例。
研修で学んだこと
一事例目は、完成した介護予防サービス・支援計画書を元に、講師の先生から作成プロセスについて解説がありました。
大切な視点
●支援計画は「ご本人・家族と共に作成」するものである。
●ご本人の力を活用できるよう気づきを促す面接を心掛ける。
●ケアマネの提案から合意形成のプロセスを言語化する。
介護予防支援事例②
Bさん(86歳・女性)
夫を5年前に亡くしたことをきっかけに長男夫婦に呼び寄せられ、生まれ育った九州を離れ同居開始。言葉の違いから地元の老人会にも入らず、唯一向かいの方が同郷のよしみで時折訪ねてくれる程度。
昨年から物忘れが目立つようになり、意欲も低下し、好きだったちぎり絵もしなくなった。
介護保険は初回申請後、住宅改修のみ利用。今回更新時期になり、結果、要支援1.主治医の勧めもあり、長男の妻とともに地域包括支援センターに相談に訪れた事例。
研修で学んだこと
2事例目は、担当ケアマネCさんとご本人、家族との面談過程が掲載されており、合意形成の過程を言語化し、総合的課題まで埋められた途中の計画書を最後まで完成させるワークに取り組みました。
一事例目で「視点」を学んだ後でも、「計画はケアマネが立てるもの」という意識が強く、「ご本人・家族」との共同、合意形成のプロセスを言語化するということが腹落ちしておらず、面談過程を並列に書き出し混乱してしまったのでした(-_-;)
介護予防サービス・支援計画書は本人・家族と共に作る計画書
●本人・家族の望む暮らしを明確にするところからはじまる。
●目標とする生活「一日」には明日からすぐ毎日できることを書く。
●目標とする生活「一年」後を目指して本人・家族・支援者が同じ方向に向かっていこうということを言語化したものが「総合的な方針」になる。
自立支援は「本人の肯定的な気づき」を促すプロセスである
研修を経ての感想
予防ケアプランは介護保険下の予防給付の枠組み、少ない点数の枠内で、可能なサービスをあてはめていくイメージが強かったのですが・・・
✔自立支援=本人の肯定的な気づきを促すプロセス
✔最も大切なことは、利用者本人が自分自身を知るということ
相談支援者は、一見弱みに見えるご本人の特性も、リフレーミングで肯定的にみる視点をやしない支援していきます。
●わがまま → 自分を持っている!
●おせっかい → お世話好き!
●だらしない → おっとりしてる!
自分の価値観、ものの見方を知る「自己覚知」を養っていくことの大切さを学びました。
ケアマネ自身が、ご本人・家族の資源となる視点です。
ケアマネはサービス紹介業ではない!
ただの紹介業では、依存を生み、自己実現も自立支援も荷が重くなる!
あくまでも、ケアプランは共に作るもの!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました☆
☆アドラー心理学に学ぶ相談支援・リフレーミング!
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